【コラム】デジタルマーケティングに関わる私達は数値の「影響」を俯瞰すべき

※本コラムはアナリティクス アソシエーション様のゲストコラムとして寄稿いたしました。続きをお読みになる場合には、URLより閲覧をお願いいたします。

本稿ではデジタルマーケティングに従事する私達が数値の「影響」を改めて把握することの重要性を事例とともに考えていきたいと思います。

数値が知らずしらずのうちに持つ2つの役割

突然ですが以下の(1)(2)のような文章を読んで、皆さんはどういった感想を持つでしょうか?

(1)部下や代理店からウェブサイトの今月のコンバージョンが目標100なのに対し、実績は80になりそうという報告を受けた。

(2)皆さんが自社サイト用に書いているブログを閲覧したユーザーの離脱率を給与に反映すると突然上司から告知された。
 
(1)については、残念だなと思うと同時に次月以降のために何らかの意思決定をし、場合によっては自らの業務への関与を強めなければいけないと感じたかもしれません。(2)については、離脱率を下げないようにブログの構成やデザインの変更が必要と考えたかもしれませんし、離脱率よりも他の指標を給与に反映させた方が良いのではと思い立ち、上司の説得を考えたかもしれません。

以上のように報告されたり、測定されたりするだけで数値は役割を持ちます。組織における数値の持つこうした役割を伊丹&青木(※)は管理会計の文脈で「情報システム」、「影響システム」と呼んでいます。
小難しい話は避けますが、「情報システム」とは組織においてマネージャー等が報告された数値を受けて現場の状況を把握したり、自らの関与を強めるかどうかの判断をするための情報としての役割です。「影響システム」とは、自身の行動について計測されたり、今までとは異なる方法で計測されるのを知ることで、行動に何らかの変化をもたらす機能のことです。これらは管理会計を対象とした概念のため、そのままデジタルマーケティングに応用するのは乱暴と思われるかもしれませんが、数値を扱う私達の仕事に応用できる部分も多いと考え、あえて紹介することにいたします。

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参考文献
※伊丹敬之,青木康晴(2016). 『現場が動き出す会計』日本経済新聞出版.